臨床経験20年以上の治療家が発信する治療家セラピストマガジン
魅せるセミナー2
─ 言葉と視点で“魅せる”を形にする ─
魅せるとはなんぞや?
覚悟をすること。
嘘をつかないこと。
でしたね。
では今日は、もう少し「魅せる」を追求してみましょう。
魅せるためには、
何が必要で、何が必要でないか?
形にするためにはどうしたらよいか?
- 魅せるための2つの鍵
- 写真と言葉で「魅せる」を練習する
- 写真にテーマを決めてみる
- 見る視点を変える
- 視点がなぜ必要なのか
- エジソンの「視点の違い」
- 伝わり方を決めるのは「視点」
- 整体師の目線に置き換える
- 「相手を楽しませる」という発想
- キャッチコピーは“相手を絞る”ほど効果的
- センスの正体は「規則性」
- 写真 × 言葉 = 物語
- ありふれたコピーの時代に
- 感情を動かすことが“魅せる”の源
- 感情の深さは「想い」の深さ
- 「何くそ」のビタミンを持て
- 僕たちの職業は“創る”こと
- 素直すぎず、視点を変えて伝える
- キャッチコピー創作の9原則(自己啓発セミナーより)
- 受け取る側の視点を忘れない
- 「思い」を言い切る勇気
- 「なんで?」を3回問う
- 人間力とは「熱量と振動」
- 視点を変えるトレーニング
- WORK①:あなたの技術で得られることを100個書く
- WORK②:やりたくないことを100個書く
- 最後に
魅せるための2つの鍵
それは――
- 言語化すること
- 可視化すること
の2つです。
言葉で見ると難しい印象を受けるかもしれませんが、
これはつまり、
写真(映像)とキャッチコピーをうまく使って表現する
ということなのです。
今日は、どのようにすると効果的かを伝えていきたいと思います。
写真と言葉で「魅せる」を練習する
この表現は、身近な情報を使って練習することができます。
ご自身の携帯の中にある、これまでに撮った写真を活用するのです。
そして、その写真に
簡潔に・一言で・キャッチコピーをつけてみましょう。
自分で撮ったお気に入りの写真、何でもない写真に一言添える。
その一言が、その画像に意味を持たせ、
アピールやメッセージ・宣伝に変わるのです。
写真にテーマを決めてみる
次に、その写真にテーマを決めてみましょう。
例)ブログに載せるアイキャッチ(アイコン)
写真:公園の一角に、右に歪んだベンチ。
(浮かんだイメージ)
→ 歪んだこのベンチに物申したい。
- 「座るなきけん!」
- 「僕には座れない」
- 「絶妙なバランス」
- 「思考する場所」
- 「座れるだけでいいのか?」
- 「大丈夫。大丈夫。」
この練習に正解はありません。
しかし、「見ている人を楽しませる」という視点を持つことが大切です。
見る視点を変える
先ほどの「絶妙なバランス」というキーワードを、
相手を楽しませる発想に置き換える。
この椅子、きっと右側に重い人が座ったのだろう。
右に歪んでいるなぁ。
→ 「この椅子、右の骨盤がPIしてるね?」
このように椅子を人に例えたり、
人ではない場所にフォーカスさせたり、
椅子の気持ちになってみたり。
見る視点を変えると、物の見え方・伝え方が変わります。
その視点が必要なのです。
視点がなぜ必要なのか
人は、言われたことに思い込みを持ち、
そのものにとらわれてしまうことがあります。
たくさんの視点があるにもかかわらず。
ここで、エジソンの有名な言葉を思い出してみましょう。
「天才は1%の閃きと、99%の努力である。」
この言葉の本当の意味をご存知ですか?
エジソンの「視点の違い」
私たちは、
「天才ですら99%努力が必要なのだから、努力しなさい」と
教えられてきました。
しかし、本当は――
「1%の閃きも出てこない人は、99%努力しても何も生まれない。」
という意味だったのです。
実際、エジソンを取材した記者が、
そのまま書くと“嫌味”に聞こえると判断し、
努力の美談に書き換えたと言われています。
これこそが 視点の違い。
同じ言葉でも、意味がまったく違うのです。
伝わり方を決めるのは「視点」
視点が違えば、印象・伝わり方が変わる。
そして、その視点で伝わった言葉で人はイメージします。
「99%努力すれば、1%の閃きに勝てるかもしれない!」
――本来の意味とは違っても、
その“視点”が希望を生むのです。
整体師の目線に置き換える
では、この視点の話を整体に置き換えてみましょう。
本当に必要な、受け取る側の目線で話していますか?
(=コンシューマーインの目線)
それとも、
自分が伝えたいことだけを伝えていますか?
(=プロダクトアウトの目線)
「相手を楽しませる」という発想
目の前の人を楽しませる。
それは、受け取る側の視点です。
しかし「この椅子、右の骨盤がPIしてるね?」という発想は、
一見面白そうでも、自分の知識を語りたいだけ。
つまりプロダクトアウト。
魅せるとは、相手を楽しませる伝え方をすること。
「どう伝えたら相手がワクワクするか?」を考えることなのです。
キャッチコピーは“相手を絞る”ほど効果的
相手(ターゲット)を明確にすればするほど、
効果的な言語化(キャッチコピー)が生まれます。
思いついた言葉や写真を全部使いたくなるけれど、
実際に使えるのはほんの一割。
準備しても、採用されるのはほんの一握りだけ。
センスの正体は「規則性」
キャッチコピーや写真には、
“センス”のようでいて、実は規則性が存在します。
例えば写真。
デジカメやスマートフォンには、縦横のグリッド線があります。
なぜでしょう?
→ どの位置で撮るかで、写真の印象が変わるから。
“センスのある写真”は、
被写体がど真ん中にいない。
グリッド線の交差点に主題を置く。
これが、写真が語り出すバランスです。
写真 × 言葉 = 物語
写真にキャッチコピーを添えると、
その瞬間、ストーリーが生まれます。
余白を多く取り、その余白に言葉を添える。
たったそれだけで、ぐっと写真に“深さ”が出る。
相手はそこから勝手に物語を想像します。
そして、惹かれる。
あなたというキャラクター、個性、思い。
それを伝える最強のツールが「写真と言葉」です。
ありふれたコピーの時代に
整体師のホームページを見てください。
似たようなキャッチコピーが並んでいます。
数年前はそれでも勝負できた。
しかし今は、整体師やセラピストの数が増えすぎた。
埋もれる時代。
だからこそ、自分の“キャラクター”を魅せなければいけない。
表現することに覚悟を持って、魅せつけてやる。
それが、あなたの個性。
感情を動かすことが“魅せる”の源
江尻がキャッチコピーを作るとき、まずすること。
自分の感情を動かすこと。
映画でも、本でも、音楽でもいい。
感情が震えた瞬間を感じ取る。
自分が感動していないと、
相手の感情を動かすことはできません。
自分が泣けるほど心が震えたとき、
初めて「伝わる言葉」が生まれるのです。
感情の深さは「想い」の深さ
感情が動くということは、
その出来事への“想い”があるということ。
その延長線上に、
「患者さんにどうなってほしいか」という思いがある。
最近はすぐに「無理です」「できません」という子が多い。
それは、そこに感情(想い)がないから。
「何くそ」のビタミンを持て
みなさんの腹の中に、ビタミン「何くそ」はありますか?
(チキショウ・このヤロウ)という感情。
それが一番、感情を揺らすエネルギーです。
特に男性にとって。
この感情が、あなたの個性を形づくります。
僕たちの職業は“創る”こと
患者さんを治すことが仕事ではありません。
ドクターは病気を創る。
僕たちは笑顔を創る。
お客様の笑顔を創ること。
それが僕たちの仕事です。
素直すぎず、視点を変えて伝える
素直すぎると滑稽に見えることもある。
だからこそ、視点を変えて伝える。
多くの視点、多くのストーリー、多くの感情。
それを伝えるための道具が――
写真とキャッチコピーです。
キャッチコピー創作の9原則(自己啓発セミナーより)
- 1対1で話をしているように書く。
- 理想の顧客をイメージして書く。
- 大事なことは言い方を変えて3回言う。
- 他のものと比較・置き換える。
- 既に持っている欲を引き出す。
- 未来形×現在進行形で書く。
- 失うことへの恐怖を煽る。
- ベネフィットの中のベネフィットを書く。
- 具体的な数字を盛り込む。
受け取る側の視点を忘れない
これらはマーケティングの基本です。
ただし、創る側の視点(プロダクトアウト)であることを忘れずに。
あなたが目指すのは――
受け取る側の視点(コンシューマーイン)。
お客様の“欲しい”に寄り添う視線を持つこと。
「思い」を言い切る勇気
キャッチコピーを創る上で大切なこと。
思ったこと(感じたこと)をざっくりと言い切る。
それはお客様が知りたいことでもある。
(例)「冷やし中華始めました。」
一見プロダクトアウトのようでいて、
実はお客様が知りたいコンシューマーインの言葉。
「なんで?」を3回問う
自分の思いを掘り下げるには、
「なんで?」を3回問うこと。
3回目でも同じ答えが出るなら、
それが本当の思い(潜在意識)です。
言葉の奥にある“熱”。
それがキャッチコピーに命を与える。
人間力とは「熱量と振動」
人間力とは、熱と振動。
熱=腹から出る本音。
それが振動を生み、人を動かす。
その結果、魅力になる。
視点を変えるトレーニング
例1)
治療院にエレベーターがあるが、遅くて不評。
普通なら「新調してもらう」と考える。
しかし――
鏡を置く。
待ち時間のストレスを「自己注視」に変える。
例2)
アメリカの工場でミスが多い。
作業員の肩書を「ワーカー」から「クラフトマン」に変えた。
結果、ミスが消えた。
視点を変えるだけで、現実は変わる。
WORK①:あなたの技術で得られることを100個書く
考えずに、思いつくままに書く。
それが、お客様が本当に望んでいることです。
WORK②:やりたくないことを100個書く
無理にでも100個。
すると、本当にやりたいことが見えてきます。
80〜90個目に、あなたの本音・強みが隠れています。
最後に
最初に見た写真をもう一度見直してみましょう。
あなたの視点、変わりましたか?
魅せるとは、視点を変え、感情をデザインすること。


