骨膜は、外側の線維性層と内側の骨形成層の二層構造になっています。線維性層には密な神経終末が分布し、関節位置や動きの情報を脳に送り続けています。ここへの適切な刺激は、まるでスイッチを入れるように固まった関節を一瞬で解放します。
さらに骨膜には血管網が豊富で、刺激により血流が促進され、組織の修復力が高まります。これは急性・慢性問わず痛みの改善に直結します。
PDAテクニックの大きな特徴は、力任せに押さないこと。微細で正確な角度・方向の刺激を与えることで、骨膜が本来持つ機能を「思い出させる」ように活性化します。このため、施術後すぐに立ち上がった瞬間から身体が軽くなる感覚を多くの患者さんが体験します。
これまで筋肉や関節にフォーカスしてきた施術家が、この骨膜の世界を知ると、施術の幅が一気に広がります。次回はいよいよ、PDAテクニックをどう臨床に落とし込むか、実際の症例とともにご紹介します。