臨床経験20年以上の治療家が発信する治療家セラピストマガジン

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TECHNIQUE

魅せるセミナー3

─「自分を魅せる」キャッチコピーとストーリー構築─

前回は、写真にキャッチコピーをつけるという作業を行いました。

キャッチコピーをつける。

例えば……いきなりですが、
あなたの整体とはなんでしょうか?

整体の定義としての言葉ではなく、
「あなたの整体を教えてください。」

自分自身にキャッチコピーをつける

前回は画像や写真に対してキャッチコピーをつけましたが、
今回は、画像や写真を使わずに、自分自身に対してキャッチコピーをつける。
ということをしてみたいと思います。

あなたがする整体ってなんですか?
「あなたの整体とは?」ではなく、
あなたがするお仕事のキャッチコピーは?

  • 歪みを直す。
  • スタイルの意識を変える。
  • 綺麗になりたいを頑張ろう。
  • 誰でも笑顔になれる。

あっている・間違っているではなく、
「私のお仕事はこれです!」と一言で伝えるとしたら?
あなたはどんな言葉を使いますか?

魅せる視点を加える

そのキャッチコピーに“魅せる”という視点を加える時、
自分の伝えたいこと・考えに次のことを加えてみると、
面白く伝わると僕は考えます。

それは――

ほんの少しのアソビゴコロ。

アソビゴコロとは何か

キャッチコピーの中にアソビゴコロ?

「面白くすればいいなら、ちょっと常識から外れたことをすればいい?」
「人が思いつかないようなことをすればいい?」

――実はそんな必要はないのです。

自分の常識は他人の非常識。
よく言われることですが、
常識が正しいなら、非常識は逆のことをすればインパクトがある、
という感覚になると思います。

ですが、
非常識なことをただやってみればいいというわけではない。

お笑い芸人の“常識”

例えば、お笑い芸人。

非常識なことを言って笑わせる「ボケ担当」。
一見「常識をわかっていない」ように見えますが、
実際は誰よりも“常識”を理解している人たちです。

何が当たり前で、一般的にどう見えるのかを熟知している。
だからこそ、崩すべき“常識”をわかっている。

非常識をただやる人は、
常識を知らないだけ。
マナーも思慮もない、ただの世間知らずです。

それは、アソビゴコロではありません。


アソビゴコロとは――
常識を知った上で、それを崩して表現すること。

非常識の皮を被った、知的な常識。

だから、常識を知るということは大切なことなのです。

「整体とはエンターテイメントである」

僕の師匠や、魅せるにこだわる東京の整体師さんはこう言います。

「整体とはエンターテイメントである。」

施術をして治すことが整体のはずなのに、
楽しませて魅せることが整体だと言い切っている。

一見、非常識に映る言葉です。
「そんなところに行って腰痛が治るのかしら?」
なんて印象を与えかねません。

ですが、そこに――

  • ちゃんとした理由(裏付け・理屈)
  • 常識的な考えの基盤

があると、途端に説得力が生まれ、
アソビゴコロのある面白いキャッチコピーとして輝き出すのです。

言葉の裏にある「ストーリー」

このキャッチコピーにはストーリーそのものは書かれていません。
しかし、その言葉が生まれるまでのストーリー(過程)には、
非常に大きな意味があります。

昨日今日始めた人がこの言葉を使っても、
説得力も信憑性も面白みもありません。

では、10年やっている人が
「整体とは骨盤を治すことである。」
というキャッチコピーを掲げたら?

当たり前すぎて、そこにストーリーはない。
「あなたの10年、それだけ?」と思われる言葉になってしまいます。

キャッチコピーとは、
その言葉ができるまでの物語(過程)が裏にあり、
その延長線上に写真から見える物語が繋がっていくものです。

ストーリーを作る

ここで重要なのは、ストーリーを作ること。
物語を作るということです。

どんなに長い物語でもいい。
例えば、あなたの20年分の整体師の物語を作る。
これは、絶対にやるべきことです。

そして最も重要なこと。

その長い物語を、今聞かれたときに2行で答える。

これが、伝える上での核心です。

「ログライン」という考え方

映画業界では、これを「ログライン」と呼びます。

ハリウッドでは、1日に何千本もの脚本が持ち込まれます。
膨大な物語を判断するのに、
映画の魅力を2行で伝えることができるかが基準です。

2時間の映画を2行で説明できなければ、
通らない。

売れている映画は、
ざっくり説明しても2行で伝わる。
やってみると分かりますが、
名作ほどシンプルに説明できます。

実はそこから、キャッチコピーが生まれ、
写真がついてポスターとなるのです。

写真・キャッチコピーの前に物語を

ホームページを作るとき、
最初に「どんな写真を使うか」「どんなキャッチコピーにするか」
から考える人が多い。

でも、それではうまくいきません。

大事なのは、
自分の経験、思い、伝えたいこと、これまでの背景を
とことん掘り下げて物語を作ること。

そこに、写真とキャッチコピーの答えが隠れています。

ストーリーを見つける作業

そのためには、まず次の作業をします。

自分のすることで得られることを100個あげてみる。

自分の意志、想い、理由を探す。

上がった100個の答えをつなげると、
自然とストーリーになります。

やればやるほど、確信に変わります。
少ないと迷いが生まれます。

どれだけ自分と向き合って100個書けるか。
それが“魅せる”に繋がるのです。

誰に伝えるか

ストーリーは、誰に伝えるかが必要な要素です。

よく自己啓発などで行う「アファーメーション」。
あれは、自分に言い聞かせるためのものです。

でも、今回のストーリーは違います。
誰に向けて作るストーリーか?
を明確にします。

「興味を持ってホームページを見に来てくれる人?」
そんな漠然とした人ではなく、
ターゲットを明確にする。

映画もそうです。
誰に観てほしいか。

子ども? 女性? 世代?

その対象は一人で良い。

一人のために作る

一人の人に向けた内容は、
他の人が見ても共感を呼びます。

ただし、その一人は架空の人ではダメ。
実際に知っている人でなければいけません。

一人の悩みは、みんなの悩みとして伝わるからです。

ブログや文章を書くとき、
直接話せる身近な人に向けて発信するつもりで書く。

これをマーケティング用語で「ペルソナ戦略」と言います。

ペルソナを設定する

実際にいる身近な一人に対して、
この人にだけは伝えたい、という文章を作る。

そうすることで、
伝えるべきこと・伝えなくていいことが明確になります。

不特定多数に向けてしまうと、
焦点がぼやけ、何を伝えるべきか見えなくなる。
周囲の意見や野次に惑わされる。

だから――
一人に向かって伝える。

それがターゲットを絞る、ということ。

ターゲットは一人で良い

特定の一人が狙いたい年齢層・顧客層になります。

みんなに好かれようとすると、個性が出ません。
日本人は個性を出すのが苦手です。

でも、ここでは個性が必要です。

1対1を想定して話すと、
使う言葉や内容が変わります。
それが他人から見れば“個性”や“オリジナリティ”。

2行で語れるストーリー

そのストーリーが2行で説明できるようになれば、
写真やキャッチコピーに凝縮できます。

その2行が、あなたの思いを込めた「核」になるのです。

個人と個人の話は、どんな内容でも伝わります。
相手は無意識に、その裏側の「意図」や「思い」を汲み取る。

ストーリーの深さが温度を決める

相手に伝えるストーリーを考えるとき、
ノリだけでは浅くなります。

ストーリーが浅いと、熱や目的が伝わらない。

それは前回話した
コンシューマーイン(欲しがっていること)と プロダクトアウト(言いたいこと)の関係に繋がります。

売り込むのではなく、欲しがらせる。
欲しがっている人に与え、満足させる。

直接売るのではなく、ストーリーで魅せる。

ストーリーがあるということは、
どの角度から切っても、ブレずに伝わるということ。
胸を張って言えるキャッチコピーになるのです。

「体も、言葉も、アンバランスでいい」

人間の体は左右対称ではありません。
左右で仕事が違うからです。

手を合わせてもピッタリにはならない。

なのにインチキ整体師は、
「足の長さが左右違う」と訴える。

人間の体は安定していない。
でも、それをバランスさせて安定させる力がある。

だから――
「アンバランスな整体」だって売りになる。

ストレッチも同じ。
全て柔らかかったら、ふにゃふにゃです。
硬さがあるから、バランスがとれるのです。

魅せるとは、バランスの中のアソビ

ビートたけしがどんなに映画で賞をとっても、
次の日には着ぐるみを着て一言ギャグを言う。

それが彼の“魅せる”であり、
アソビゴコロ。

🕯 魅せるとは、常識を知り、あえて崩して伝えること。
そして、その裏にあるストーリーで人を動かすこと。

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