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魅せるセミナー1
─ 技術・魅せる ─
頚椎のアジャストメントのテクニックをするコンテストがあったら、
上位にエントリーできる自信がある江尻です。
僕はよく「視点が違う」「異端児」と言われます。
なぜなら、僕は仕方がないと思っています。
勉強するのに一円もかけていないから。
環境が違う状況で進んできたのです。
長くやるといいことがあります。
こうやって皆さんの前で話すなんてことをさせていただけるようにもなるわけです。
魅せる、とは?
これは、僕が一番こだわっていることです。
「魅せる」って、なんでしょう?
魅せるの「魅」は、魅了するの「魅」。
では、魅了するとはどういうことか?
それは――
一瞬で人の心を掴むこと。
僕はいつもこの「魅せるとは何か?」を考えています。
僕が思う「魅せる」とは、
- 嘘をつかないこと。
- 覚悟を持つこと。
だと思います。
覚悟を持つ人は、魅せられる。
なにをするにしても、覚悟をしている人は魅せることができる。
「俺はこうある」「こうでいる」「こうしたくない」
という覚悟。
一貫して通す思い。信念。
自分に嘘をつかずに、公言する。
これを腹の中だけで思って、
言葉では違うことを言っていたら、それは嘘です。
「仲間ですよね」「みんな一緒に」「あなたのために」
そんな言葉は嘘ですよね。
人間、誰しもまずは「私のため」です。
誰しも腹の中は自分のためなんです。
「自分のため」から始めていい。
まずは自分のため。
それから相手のため。
先に相手のことが出るなんてのは、腹黒いだけです。
ただ、不思議なことに――
人は「自分のため」だけでは努力できません。
努力できるのは、人のためだけ。
ここを理解することがいちばん重要です。
嘘をつくと、辻褄が合わなくなる。
耳障りのいい言葉ばかりを言うようになると、
最後に辻褄が合わず、「あれ?」となる。
胡散臭くなるのです。
最近では、
「人は文字を読まず、イメージで判断するようになってきている」
と言われます。
つまり、人は辻褄が合わないことを肌で感じ取っているのです。
コンサルタントという存在について。
世の中のコンサルや先生が言うことは、
辻褄が合わないことをお客様は感じています。
コンサルタントの本当の仕事は何でしょうか?
→ 人の金で自分のやりたいビジネス形式を試すだけ。
つまり、自分のやりたい方法を人の金で試している。
コンサルタントが一番心配していることは何か?
→ 毎月、仕事があってお金が入るかどうか。
我々はどうすべきか?
コンサルタントではない我々が目指すべきは――
プロデュースとディレクションをできる人 になることです。
プロデュース業(プロデューサー)とは、
計画を立てる人。
トータル的にお金から全体を作る人。
誰にお願いし、何を断るか、管理をする人。
セルフプロデュースとは、自分の計画を立てる人。
何を足して何を引くか。
そして、どうするか?
これが本当のプロデュースです。
「かっこよく魅せてください」は無理。
僕がよく依頼されることで多いのが、
「かっこよく見せてください」というものです。
これは無理なんです。
なぜなら、そのセリフを言う人は、
本音を言わない人だから。
「患者さんのために」「売上を上げたい」と言いつつ、
本当は「楽して儲けたい」。
それを悪いことだと思っているから、耳障りの良い言葉を使う。
でもね――
「楽して儲けたい」って、本音でしょ?
それを否定してはいけない。
常識は自分で決めていい。
「楽して儲けたい」ことに、悪い印象があるのは、
世の中が勝手に決めた常識だからです。
常識を決めていいのは、本人だけ。
その方法を考えることの方が重要。
そうすると、手段・方法が見えてきます。
プロデュースとディレクション。
プロデューサーには必ず、
ディレクター(方向を決める人)がいます。
どの方向に行きたいか。
何をしたいか。どの道を行くのか。
ここが明確である必要があります。
「目的」はあるか?
目標を作る必要はない。
だが、目的はとても重要です。
目的=何のために。
整体とは何か。
カイロプラクティックとは何か。
あなたの“定義”を言語化できるか?
目的が決まれば、手法はおのずとついてきます。
覚悟と目的が、手法を導く。
目的が決まっていれば、手法は自由。
正解はない。
決めるのは自分。
ただし、覚悟を持つこと。
覚悟を持てば、人の意見に揺らがない。
火傷しても、自分で責任を取れる。
それが、魅せるということです。
整体とはエンターテイメントである。
整体とは、エンターテイメントである。
人を感動させる“魅せる”仕事。
覚悟を持つと、目的を達成させるために何が必要かが見える。
それを言葉にし、人に伝えられるようになる。
言い切れる人が、魅せられる人です。
嘘は詐欺、ハッタリは芸。
「嘘」と「ハッタリ」は違います。
嘘は人を騙す。
ハッタリは、人を喜ばせるための“演出”。
僕の師匠は言いました。
「ハッタリ8割、実力2割で行け。」
それがエンターテイナーとしての覚悟です。
魅力的な人とは、未完成な人。
皆さんが思う魅力的な人とはどんな人ですか?
- 自分にない視点を持っている人。
- 自分の信念に従って行動できる人。
- 一緒にいてワクワクする人。
これらはすべて、未完成な人です。
未完成だからこそ、伸び代があり、
一所懸命に生きる姿が美しいのです。
オーラとは、集中力。
オーラのある人とは、集中力のある人。
イチローがバッターボックスに立つときの集中――
それがオーラ。
治療家も同じ。
黙って施術すればいいわけではない。
話す技量も、集中力の一部。
それが“魅せる力”です。
魅せるとは、覚悟であり誠実。
・覚悟を持つこと。
・嘘をつかないこと。
・目的を定めること。
・目的のために手段を見つけること。
・足りないものを追求して埋めること。
これらを真剣に徹底したとき、
その集中力がオーラになる。
本質を見失わない。
手段を目的にすり替えない。
集客ツール(SNS・広告・HP)は手段。
目的は「届けること」。
手段に心を奪われるな。
感情を伝える、ストーリーを語る。
人は感情で動く。
感情に訴えることが、最も伝わる方法です。
人間くさい話。
「実はね」から始まる物語。
それがストーリー。
最後に。
覚悟を持ち、嘘をつかず、真剣に生きる人。
その人の姿こそが“魅せる”の本質です。
「かっこよく見せる」ことではない。
「かっこよく生きる」こと。
魅せるとは――
覚悟であり、誠実であり、エンターテイメントである。
魅せるとは、あなたの生き方そのものである。


