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COLUMN

腰が痛いのは“サボり魔”のせい?

腰痛の一つの原因である大腰筋が引き起こす腰痛のメカニズムを、できるだけ愉快に解説してみる

朝、顔を洗おうとして前かがみになった瞬間。

「ピキッ」

その音、どこから鳴りました?

冷蔵庫ではありません。あなたの腰です。

腰痛というと「年齢のせい」「姿勢が悪いから」「重いものを持ったから」と思われがちですが、実は“ある筋肉のやる気の低下”が関係していることがあります。その名も 大腰筋(だいようきん)。

今日はこの筋肉を、ちょっと主役にしてみましょう。

大腰筋って、どこにいるの?

大腰筋は、お腹の奥の奥。

背骨の腰の部分からスタートし、骨盤を通って太ももの内側へとつながっています。

いわば

背骨と脚をつなぐ“インナーブリッジ”

表からは見えません。触るのも難しい。

でもこの筋肉、実はかなりの働き者。

・脚を持ち上げる

・姿勢を安定させる

・背骨を支える

つまり、体の“芯”を守るボディガードのような存在です。

もしこのボディガードがサボったら?

想像してみてください。

警備員が突然、スマホをいじり始めたらどうなるか。

入口はガラ空き。建物は無防備。

それが腰で起きるとどうなるか。

① 背骨がぐらつく

大腰筋は、腰椎という背骨の一部を前から支えています。

筋力が落ちると、その支えが弱くなります。

すると背骨はどうなるか。

「誰か支えてくれないかな…」

と、周りの筋肉に頼ります。

② 他の筋肉が過労になる

代わりに頑張るのは

・脊柱起立筋

・腰方形筋

・お尻の筋肉たち

彼らは言います。

「え、これ本来あなたの仕事ですよね?」

でも断れません。

結果、働きすぎてパンパンに張る。

これが“筋肉のコリ”です。

コリが続くと血流が悪くなり、痛み物質がたまり、やがて腰痛へ。

つまり、

大腰筋が弱る → 他が無理する → 腰が悲鳴

という流れです。

## **さらにややこしいことが起こる**

大腰筋が弱ると、姿勢にも変化が出ます。

骨盤が後ろに傾く

大腰筋は骨盤を安定させる役目もあります。

弱くなると骨盤は後ろへコロン。

すると背骨の自然なカーブが崩れます。

本来、背骨はゆるやかなS字カーブ。

これは衝撃を逃がす“天然サスペンション”。

でもカーブが減ると?

衝撃がダイレクトに腰へ。

車で例えるなら、

サスペンションのないカートで砂利道を走る感じ。

腰「ちょっと待って、直撃なんだけど」

座りすぎ社会の落とし穴

ここで登場する現代人あるある。

・デスクワーク

・スマホ

・長時間の車移動

座っている間、大腰筋は縮んだまま。

動かない筋肉はどうなるか。

「もう働かなくていいのでは?」

と、どんどん弱くなります。

しかも縮みっぱなしになると硬くなり、今度は逆に腰を引っ張ります。

弱いのに硬い。

なんとも厄介な状態。

弱いのに硬いってどういうこと?

ここが少し面白いところ。

筋肉は

・使われなさすぎても弱くなる

・縮みっぱなしでも硬くなる

つまり

“動かさない”が一番まずい

弱った大腰筋は、

腰椎を安定させる力が足りない。

硬くなった大腰筋は、

腰椎を不自然に引っ張る。

ダブルパンチです。

その結果、体はこうなる

・立っていると腰が重い

・朝起きると痛い

・長く歩くとだるい

・反ると痛い、丸めると痛い

「もうどうすればいいの」

腰は静かに抗議しています。

実はメンタルにも関係?

大腰筋は自律神経とも近い位置にあります。

ストレスが強いと、無意識に体は緊張。

お腹がキュッと縮こまる。

その緊張は大腰筋にも波及します。

つまり、

ストレス → 大腰筋が固まる → 腰に負担

心と腰は意外と仲良しなのです。

じゃあどうすればいいの?

ポイントは3つ。

1. 動かす

脚を上げる運動や、軽いウォーキング。

眠っている大腰筋に「おはよう」と声をかける感覚。

2. 伸ばす

片脚を後ろに引くストレッチ。

前ももが伸びる姿勢は大腰筋も伸びています。

3. 使いながら安定させる

体幹トレーニング。

ただ腹筋をガンガンやるのではなく、ゆっくりコントロール。

まとめ

腰痛は単なる“腰の問題”ではありません。

・支える筋肉が弱る

・代わりに他が頑張る

・姿勢が崩れる

・衝撃が増える

・痛みが出る

その中のキーパーソンの一人が、大腰筋。

見えない場所で働く縁の下の力持ち。

この筋肉が元気かどうかで、腰の未来はずいぶん変わります。

腰が痛いとき、

「腰が悪い」と責める前に、

「もしかして大腰筋、最近サボってない?」

と聞いてみてください。

体はいつも、

怠けているわけではなく、助けを求めているだけ。

腰痛は、体からのメッセージ。

それを読み解く鍵の一つが、大腰筋なのです。

あなたの腰のボディガード、

今日からちゃんと働いてもらいましょう。

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