序章:肉と私と人生と
皆さんこんにちは。Ezyriです。
まず最初に断言しておきます。私は 肉が好き です。もう好きとか嫌いとかの次元を超えて、宗教、哲学、ライフスタイル、血液の代わりに流れているといってもいいレベル。
焼肉?大好き。網の上でジュージューいう音を聞くだけで心拍数が10上がる。
ステーキ?大好き。表面がこんがり焦げて中はレア、その肉汁が溢れる瞬間に「人生って悪くないな」と思う。
ケンタッキーフライドチキン?愛してる。バーレルを抱えて一人で食べてしまったことがある。
マクドナルド?もはや私の胃袋のサードプレイス。家でも職場でもない第三の居場所、それがマック。
要するに私は「肉食獣Ezyri」である。ベジタリアンやヴィーガンの友人たちには申し訳ないが、私は肉を愛し、肉に愛され、肉と共に歩んできたのだ。
そんな私が――なぜか、ヴィーガン料理のレストランに行くことになった。
第一章:肉食獣、草食の森へ
ことの発端は、友人からの一言だった。
「ねえEzyri、今度新しくできたヴィーガンレストランに行かない?」
…待て。
今、何と言った?
ヴィーガン?
あの「動物性食品一切禁止」の、草と豆の祭典?
私の天敵?
本能が叫んでいた。「断れ」と。
しかし私は社会性のある大人だ。付き合いも大事だ。笑顔で答えた。
「…いいね!」
その瞬間、肉食獣Ezyriは、草食の森へと放り込まれたのである。
第二章:レストラン潜入記
入店してまず衝撃を受けた。
肉の香りがしない。炭火の煙が立ち込めない。スパイスの香りではなく、草原の朝露のような香りが漂っている。
「ここが…戦場か」
案内された席につくと、木のテーブル。メニューもリサイクルペーパー。店員さんは笑顔でこう言った。
「当店はすべてプラントベースです」
なるほど。つまり「肉という概念を忘れろ」ということだな。
メニューを開くと…驚いた。
- 「大豆ミートのハンバーグ」
- 「ソイチキンナゲット」
- 「ベジツナサンド」
…いや待て。
結局「肉っぽい名前」を借りなきゃ成立しないのか。
ツナじゃないのにツナを名乗るとは、まるで「無職なのにフリーランス」と言い張るようなものではないか。
心の中でツッコミながらも、私は「大豆ミートバーガーセット」を注文した。
第三章:初めてのヴィーガン体験
バーガーが運ばれてきた。
見た目は、完全にハンバーガーである。
バンズにレタス、トマト、そして肉…じゃなかった、大豆ミートのパティ。
ひと口かじった。
……。
…………。
あれ?意外と美味しいぞ?
肉のジューシーさはない。だが、大豆独特の香りをスパイスとソースで上手く誤魔化している。食感も悪くない。正直「これはこれでアリ」と思ってしまった。
友人がドヤ顔で言う。
「でしょ?意外といいでしょ?」
私は笑顔で頷いた。
「うん、いいじゃん!」
その瞬間――私は、自分が恐ろしい勘違いをしていることに気づかなかった。
第四章:脳内バトル勃発
その夜、夢を見た。
【ステーキ軍団】と【ヴィーガン軍団】が、私の脳内で戦争を始めたのだ。
ステーキ将軍が叫ぶ。
「Ezyriよ!俺たちを裏切るのか!」
唐揚げ兵が涙ながらに言う。
「僕ら、ずっと一緒だったじゃないですか!」
一方で、アボカド姫がささやく。
「Ezyriさん、私たちだって悪くないでしょ?」
ケール騎士団が胸を張る。
「あなたの健康を守るのは、我々だ!」
……混乱する私。
どうすればいいのだ。
第五章:肉と草の狭間で
数日間、私はおかしな状態だった。
肉を見ると「本当にこれでいいのか」と悩む。
野菜を見ると「いややっぱ肉が恋しい」と葛藤する。
KFCの前を通りかかると、フライドチキンが私を呼んでいるように見えた。
「戻ってこい…Ezyri…」
しかし、サラダ専門店の前では、レタスたちがささやいた。
「こっちの世界も居心地いいよ…」
私は完全に勘違いしていた。
「ヴィーガンもいいじゃん」と思ったのは、あの瞬間の錯覚だったのか。
いや、もしかしたら本気で魅了されているのか?
第六章:悟りかけるEzyri
そんなある日、ふと気づいた。
「肉が好きでもいいし、ヴィーガン料理を楽しんでもいいんじゃないか?」
そうだ。何も選ばなくていい。
人は自由に焼肉を食べ、時にサラダをむさぼり、ケンタッキーをバケツで抱えながらも、翌日にはグリーンスムージーを飲めばいい。
肉と草。
どちらかを否定するのではなく、両方楽しむ。
それが真の食道楽ではないか。
私は心の中で、ステーキ将軍とアボカド姫の握手を見た。
「和解成立」である。
結論:やっぱり肉が好き。でもヴィーガンも悪くない
というわけで、Ezyriは結論に至った。
- 焼肉は最高。
- ステーキも外せない。
- KFCとマックは人生の潤滑油。
- でも、たまにヴィーガン料理を食べるのも悪くない。
そう、私は「肉食獣でありながら、草食の森に遠征できる存在」になったのだ。
つまり――「ハイブリッド食獣Ezyri」である。
あとがき
最後に正直に言う。
「大豆ミートバーガーは美味しかったけど、やっぱり焼肉の煙を浴びる瞬間に勝るものはない」
結局のところ、肉食獣の魂は揺るがない。
でも――付き合いで行ったヴィーガンレストランで、私は新しい世界を知った。
だからもしあなたも「肉派」だったとしても、一度くらい草食の森を覗いてみるといい。
きっと、あなたの中のステーキ将軍とアボカド姫も、握手を交わす日が来るだろう。