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少人数だからこそ起きた“濃縮還元120%”の埼玉勉強会
――うなぎ君とけっしーの利き腕という言い訳を、静かに手放す一日――
2026年1月8日。
年が明けてまだ正月気分の残り香が、ほんのり街に漂う頃。
埼玉で開催された定例勉強会は、いつもとは少し違う空気の中で始まりました。
年末から続いていたトラブルの影響もあり、今回は少人数。
集まった顔ぶれを見て、最初に浮かんだ正直な感想はこれでした。
「あ、今日は逃げ場がないな」
人数が少ないということは、
✔ 一人ひとりの手元が丸見え
✔ 曖昧な理解は即バレる
✔ 「まあ今日は見学で…」が通用しない
治療家にとって、これほど緊張感と期待が同時に高まる条件はありません。
でも結果から言えば、
この日の勉強会は、ここ最近で一番“治療家脳”が汗をかいた時間になりました。
いつもは通り過ぎる「ちょっとしたズレ」に、今日は止まる
通常の勉強会では、どうしても全体の流れや時間配分を優先します。
テクニックも「だいたい合っている」なら先に進む。
細かい違和感は、各自の課題として持ち帰る。
ところが今回は違いました。
少人数だからこそ、
・手の置き方
・圧の方向
・体重の乗せ方
・指先の“無意識の逃げ”
そういったミリ単位のズレを、その場で止めて、
「今、何を感じてる?」
「どこで力が抜けた?」
「それ、利き腕じゃない方でも同じこと起きる?」
と、一つひとつ分解していく流れに。
まるで治療テクニックをバラして、机の上に並べて、
「はい、どこが噛み合ってないでしょう?」
と問いかけられているような時間でした。
利き腕という、便利で厄介な存在
今回、特に盛り上がったテーマがこれ。
「利き腕だから得意」「逆は苦手」という思い込み、治療家なら、誰しも一度は口にしたことがある言葉ではないでしょうか。
・右は安定するけど左は不安
・このテクニックは右じゃないと怖い
・左でやると急に雑になる
でも、少人数だからこそ逃げられません。
「じゃあ、その差は本当に“腕”の問題?」
「感覚?理解?それとも単なる慣れ?」
そんな問いが次々に投げられ、実際に左右を入れ替えながら、同じ動作を何度も確認。
すると不思議なことが起きます。
利き腕じゃない方が急に上手くなる瞬間。
逆に、利き腕の方が雑になっている事実。
「あれ?」
「今の方が楽じゃない?」
という小さなざわめきが生まれました。
苦手なテクニックは、才能不足じゃない
「このテクニック、実はちょっと苦手で…」
今回の勉強会では、そんな正直な告白も自然に出てきました。
人数が少ないからこそ、取り繕う必要がない。
そして徹底的にやったのが、
苦手テクニックの“解体と再構築”
・どこで怖さが出るのか
・なぜ力が入りすぎるのか
・何をしようとして失敗しているのか
一つずつ言語化し、動きとして修正。
すると多くの場合、原因は
「センスがない」
「向いていない」
ではなく、
✔ 入り方を勘違いしている
✔ 意識の向け先がズレている
✔ 目的と手段が逆転している
そんな思考のクセだったりします。
それに気づいた瞬間の表情は、
まるで長年絡まっていたイヤホンが、スッとほどけた時の顔。
静かだけど、確かな手応えがありました。
少人数だから生まれた、濃くて面白い時間
気づけば、予定していた内容よりも
「今ここで必要なこと」に時間を使っていました。
でも、誰も時計を気にしていない。
むしろ「もう終わり?」という空気。
派手な新技はありません。
SNS映えする写真もない。
それでもこの日の勉強会は、
治療家としての土台を、確実に一段整えた時間でした。
少人数だからこそ、
誤魔化せず、
逃げられず、
でもその分、深くて面白い。
年末からのトラブルがなければ、
この形の勉強会は生まれなかったかもしれません。
そう思うと、人生も治療も、
予定外の出来事が一番大事な学びを運んでくるものですね。
次回はまた、違う人数、違う空気になるでしょう。
でもこの日の感覚は、きっとそれぞれの手の中に残っています。
「利き腕だから」という言い訳を一つ手放した、
そんな埼玉勉強会の記録でした。
Ezyri

