臨床経験20年以上の治療家が発信する治療家セラピストマガジン

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TECHNIQUE

勉強会に参加して感じた“奥まで届く施術”の凄さと身体の反応

先日の勉強会の内容は。「筋肉へのアプローチ力を使わずに、グッと奥まで効かせる手技」。深部に効かせるにはどうしても力が必要だというのが私の中の常識だったので、「本当にそんなことが可能なのか?」という半信半疑の気持ちを抱えながらの参加でした。しかし、結論から言うと、その常識は見事に覆され、身体の反応の奥深さを改めて実感することになりました。

“軽いのに奥まで届く”という不思議な感覚

先生の手技を体験した瞬間、まず驚いたのはそのタッチの軽さです。決して押されている感じはしないのに、じわじわと身体の奥の方に変化が波及していく。外側の筋肉から順にゆるむのではなく、まるで深層部の筋肉が先にほどけていくイメージです。

圧をかけていない分、受けている側の身体は無意識の防御反応を起こさず、自然に変化を受け入れていきます。力で押し込まれるのとはまったく違う、身体が自ら変わりたい方向へ動き出すような感覚がとても心地よく、施術中はずっと不思議な感動が続いていました。

 筋肉が解けると“痒み”が出てくる理由

今回特に印象に残ったのが、筋肉が解れていくと痒みが出てくるという身体の反応です。一般的には「痒い=悪い反応」というイメージがありますが、実はこれは血流や体液循環が一気に回復する時に起きる、とても自然な現象だそうです。

施術中に、ふわっと皮膚の奥が痒くなる瞬間が何度もありました。ただ、それは不快なものではなく、むしろ「あ、今まさに流れ始めているんだな」「この部分、こんなに滞っていたんだな」と身体の変化を感じ取れる心地よいサイン。痒みを通して、筋肉が固まり過ぎていた部分や、普段気づいていなかった緊張が浮き彫りになるのが面白く、身体って本当に正直だと改めて感じました。

“強く押すほど効く”は誤解だった

これまで僕は、深い筋肉に届かせるにはある程度の力が必要だと思い込み、施術者としても力でコントロールしようとすることがありました。しかし、今回の勉強会で体感した「軽いのに奥まで効く」アプローチは、その考えを真っ向から否定するものでした。

強い圧は、確かに瞬間的には「効いた感じ」があります。しかし身体が防御反応を起こしやすく、それが揉み返しにつながることも多い。一方で今回の手技は、ほとんど揉み返しが出ないどころか、翌日は身体が軽く、動きがスッキリと滑らかになっていました。

施術者の“頑張り”ではなく、身体が自然に変わる道筋を整えること。それこそが本質であり、最も負担が少なく、かつ効果が長続きするアプローチだと深く納得させられました。

プライベート講義だからこそ得られた深い理解

今回の勉強会はマンツーマンに近い形だったため、手の置き方、指先の角度、重心移動、呼吸の合わせ方、相手の身体の“わずかな変化のサイン”の見極め方など、通常の講座ではなかなか気づけない部分まで細かく教わることができました。

特に印象に残ったのは、「触れている時の自分の心の状態が、そのまま手から相手に伝わる」という話。テクニックはもちろん重要ですが、それ以上に施術者の在り方が結果に大きく影響するという深い学びを得られました。

今後の施術に活かしたいこと

今回の経験を通して、私は施術に対する考え方そのものが大きく変わりました。

  • 力を使わなくても深部に届く
  • 解れる時の痒みは身体が回復しているサイン
  • 揉み返しのない優しいアプローチが結果的に最も強力
  • 施術者自身の状態が施術の質を左右する

これらの気づきは、今後の施術スタイルを確実に変えていくと思います。身体の声を邪魔せず、自然な変化を導く施術──その奥深さをもっと追求していきたいと強く感じました。

今回の勉強会で得た感動と学びをこれから実践で磨きながら、より多くの方にこの心地よさと変化を届けられるよう努力していきたいと思います。

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