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偽物は3年で飽きられる、本物は3年で認められる

〜整体師として、自分ごととして〜

■ 序章:時代のスピードと“飽きられる才能”

スマホを開けば、無数の「すごい整体師」が現れては消えていく。
SNSを開けば「3秒で治る」「奇跡のテクニック」「今だけ無料」といった言葉が並び、
見た目も内容も、どこか似たような光景が広がっている。

けれど、そのどれもが3年後にも同じ勢いで残っているかといえば——
ほとんどが消えている。

「偽物は3年で飽きられる」とは、まさにこのことだ。

時代のスピードが上がれば上がるほど、
“早く人気を得る”ことに長けた人が注目される。
だが同時に、“早く飽きられる”ことにも長けてしまう。

整体の世界も例外ではない。
技術・流派・肩書・資格・SNSのフォロワー数……。
最初は輝いて見えても、3年後に名前が残っている人はほんの一握り。

なぜか?
理由はシンプルだ。
本物は、結果よりも過程を積み重ねているからだ。

■ 第1章:偽物とは「結果を先に欲しがる人」

「結果を出す」ことは悪いことではない。
しかし「結果だけ欲しい」と思った瞬間、人は偽物に近づく。

整体師で言えば、
「短期間で売上を上げたい」
「すぐに指名を増やしたい」
「フォロワーを増やして信頼を得たい」

——こうした思考が悪いわけではない。
でも、“根っこ”が違う。

本物の治療家は、治るプロセスを大切にする。
患者の姿勢を観察し、手の感覚を研ぎ澄まし、
たとえ1回の結果が出なくても、「なぜ」を追いかけ続ける。

偽物は「結果が出ない=才能がない」と考え、
別のテクニックやセミナーへと飛び移る。
それが続けば、3年後には「結局何ができる人?」となる。

人は「すぐに結果が出る人」を求めがちだが、
本当に必要なのは「結果を出し続ける人」。
その差は、“3年”という時間がきれいに見分けてくれる。

■ 第2章:「本物の3年」は、派手ではない

3年という時間を“耐え抜く”という表現をする人もいるが、
本物の3年は、決して我慢の時間ではない。

むしろ、静かに育つ時間だ。

整体の技術は、学んで3ヶ月で身につくものではない。
筋肉の触り方、関節の読み方、呼吸のタイミング、
そして何より“人を見る目”。

これらは経験の中で「積み重ねるしかない」。
焦っても、急いでも、体に染み込むまでには時間が必要だ。

たとえば施術の際、
「この人の背骨はどこから歪み始めているのか?」
「この人の呼吸の浅さは心の問題なのか、身体の問題なのか?」
そういった問いが自然と湧くようになるのは、
“3年”という時間の中で何百人・何千人もの体に触れた人だけだ。

見えない努力、地味な観察、地道な手入れ。
それらが積み上がった頃、
患者がふとこう言う。

「先生、あの頃より体も気持ちも楽になってます」

その一言こそ、3年の勲章である。

■ 第3章:3年で「飽きられる」人の共通点

世の中で飽きられる整体師には、3つの共通点がある。

1、目立つことを目的にしている

SNSの発信は大切だが、「見せるための施術」になっていないか?
動画映えを狙った強引な矯正、派手な音、
驚かせる演出ばかりが先に立つと、
本来の“治すこと”が置き去りになる。

目立つことは簡単だが、信頼されることは難しい。
信頼は“派手さ”ではなく、“誠実さ”でしか積み上がらない。

2、流行を追いすぎる

「この技術が今すごい」「この資格が流行っている」
そうやって常に“外”を追っている人は、
自分という“軸”が育たない。

3年経つ頃には、あらゆるテクニックを知っているが、
どれも“浅い”。

結果、「何者でもない人」になってしまう。

3、失敗を恐れる

偽物ほど“失敗”を避ける。
でも本物ほど“失敗”の中に成長のヒントを見つける。

人の体は思い通りに動かない。
計算ではなく、感性と経験でしか掴めない世界がある。
だからこそ失敗が先生であり、
“3年の中で失敗を繰り返す人”が、やがて本物になる。

■ 第4章:「認められる3年」は、他人ではなく“自分”から

「3年で認められる」とは、他人に評価されることではない。
まずは、自分自身が“自分を認められるようになる”こと。

整体師という仕事は、常に“他人の評価”に晒される。
「治った」「変わらなかった」「他院のほうが合った」
そんな言葉を受けながら、自分の価値を見失いそうになることもある。

でも3年続けてみると気づく。
他人の評価は波であり、自分の成長は地層だ。

波は打ち寄せては消える。
地層は積み重なっていく。

だから、焦らなくていい。
3年経っても「まだまだだな」と思えたなら、
それは成長を続けている証拠だ。

■ 第5章:整体師という“職人業”の宿命

整体師は、AIにも機械にも真似できない“手の仕事”だ。
技術がデータ化されても、触れた瞬間の温度や呼吸、
微妙な圧加減は人間にしか再現できない。

だからこそ、この世界では「本物」が残る。

たとえば包丁職人が毎日研ぎ続けるように、
治療家も“手”と“感性”を研ぎ続ける。
それが3年経つ頃、ようやく「型」になる。
5年で「流れ」が見え、10年で「哲学」になる。

整体の技術は、積み上げるほど深くなり、
時間が経つほど“自分”という色が出る。

偽物はその「地味な積み上げ」に耐えられない。
だからこそ、3年が境目になる。

■ 第6章:3年目から“信頼”が芽を出す

人は“実績”ではなく、“信頼”に惹かれる。
3年続けると、不思議とその信頼が形になる。

・紹介が増える
・「また先生にお願いしたい」と言われる
・「変化が出た」という声が増える

それらは偶然ではない。
“3年間、逃げなかった”という無言の証明だ。

技術を磨くのも大切だが、
本当の信頼は“人柄”から滲み出る。
焦らず、誠実に、真摯に。
その姿勢こそ、最大のブランディングである。

■ 第7章:自分ごととしての「3年」

僕自身、整体師として歩み始めた頃は不安の連続だった。
誰も教えてくれない“答えのない世界”に放り込まれ、
「本当にこれでいいのか?」と自問自答の毎日。

1年目は焦り、
2年目は迷い、
3年目でようやく、静かに「腹が決まる」。

それは“覚悟”というよりも、“受容”だった。
上手くいかないことも含めて、
この道を生きていく——そう思えた瞬間、
自分の中の軸がすっと立った。

その時、不思議と周囲の見え方も変わった。
「お客さんに来てもらう」ではなく、
「お客さんを迎える」感覚に変わった。
“施術をする人”から、“空間を整える人”へ。

それが、僕にとっての“3年で認められる”という意味だった。

■ 第8章:「本物」は流行らないが、残る

本物の整体師は流行らない。
派手でもないし、SNSでバズるタイプでもない。
だが、残る。

なぜなら、本物には「人が人を呼ぶ力」がある。

目立たなくても、確実に伝わる。
広告を出さなくても、口コミがつながる。
そして、3年後も同じ場所で同じ想いで手を当てている。

それが本物の証。

■ 結章:3年という“魔法の時間”

3年という時間は、短いようで長く、長いようで短い。
でも、この3年をどう過ごすかで、すべてが決まる。

偽物は3年で飽きられる。
本物は3年で認められる。

それは運でも才能でもなく、
“逃げなかった人”の物語だ。

派手な結果ではなく、地味な継続を選ぶ。
瞬間のウケではなく、永続する信頼を育てる。
そして何より、自分という“職人”を信じる。

——そうして気づけば、
3年が過ぎ、
本物の道が始まっている。

■ まとめ

  • 本物とは、結果よりも「過程」を大切にできる人。
  • 偽物とは、結果だけを追いかけ、途中で飽きる人。
  • 3年の中で地道に積み上げた“手”と“信頼”は、何にも代えがたい資産になる。
  • 続ける人こそが、選ばれる人になる。

■ 最後に

整体の道は、地味で孤独で、でも美しい。
目の前の人に真剣に向き合い、
今日もまた、静かに“手”を置く。

3年後、5年後、10年後——
その手が「本物」と呼ばれる日まで。

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