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この時期の治療時に気を付けているのは胸椎の歪みです

季節が分を分け、秋の気配が深まってきましたね。
朝夕はひんやりと肌寒く、思わず長袖を手に取るようになった今日この頃。
けれど昼間はまだ暑い。そんな寒暖差の激しい時期こそ、身体の中では静かにバランスを崩す変化が起きています。

そして整体師として、僕がこの時期に最も気をつけているのが――胸椎の歪みです。

■ 季節の変わり目と胸椎の関係

「なんか最近、胃の調子が悪いんです」「食べ過ぎたわけでもないのに重い感じがして…」
そんな声をよく聞くのがまさに今の季節。

これ、実は中部胸椎(T4~T5)の歪みが関係していることが多いんです。
胸椎の4番、5番は消化器系――特に胃や肝臓、膵臓などと深く関係しています。
気温差や気圧の変化によって自律神経が乱れると、このあたりの関節可動性が落ち、
内臓の働きが鈍ってくる。逆に、内臓が疲れて硬くなれば、胸椎が引っ張られて歪む。

そう、胸椎と内臓は双方向の関係なんです。
どちらが原因でも、結果的に「背骨と内臓」が互いに影響を及ぼし合っているわけです。

■ 胸椎が動くという感覚

「そんなの当たり前じゃないですか!」
そう思う人もいるかもしれません。
でもね――本当に胸椎が“動く”という体験をしたことのある人は案外少ないんです。

胸椎を1番から順番に、前方・後方・右側方・左側方・右回旋・左回旋
全方向に丁寧にモビリゼーションしていく。
その時、クライアントの身体が見せる反応はまさに“目が覚めるような”瞬間です。

「身体の真ん中に風が通ったような感覚」
「内臓のあたりがスッと軽くなる」
「背中の奥が涼しくて、でも温かいような」

そんな言葉が自然に口をついて出てくる。
筋肉をグリグリとほぐすのとはまったく違う、骨が本来の位置に戻る爽快感
それが胸椎のモビリゼーションの魅力なんです。

■ 背骨を動かす「バックボーントリートメント」

僕が行っているのは「バックボーントリートメント」。
STFテクニックという独自のアプローチを用い、
一椎一椎、丁寧に、そして確実に可動させていく治療法です。

STFテクニックの面白いところは、誰でもできるように設計されているのに、
誰もちゃんとやっていない
という点です。

「ここが歪んでますね」と指摘する治療家は多い。
でも、その“歪んでいる”椎骨を触っていた指を、
矯正の瞬間に離してしまう人がほとんどなんです。

つまり――
「偉そうに歪んでるって言いながら、コンタクトが雑」なんです。

触診・モーションパルペーションまでは丁寧なのに、
いざ動かすときに“指が逃げる”。
それでは、正確に椎骨を動かせるはずがありません。

■ 本当に動かせる人の“手”

良い矯正、良いモビリゼーションには、が全てを語ります。
ただ強い手ではなく、ただ柔らかい手でもない。

「柔らかいけれど芯のある手」
「深部に届くけれど痛みを与えない手」

このバランスこそ、整体師の命。
そのためには、触れる“指先の意識”が必要なんです。
皮膚、筋膜、骨膜、その下にある関節の“呼吸”を感じ取る指。

指先を通じて、身体の奥に流れるエネルギーを捉える。
そういう手は、どれだけ見た目に派手なテクニックをしても、
決して乱暴にはならない。

繊細だけれどダイナミック。
僕が目指しているのは、まさにその「しなやかな力」です。

■ 検査ができないと、何も始まらない

テクニックはもちろん大切。
でも、それ以上に重要なのが検査力

「歪みをどう見つけるんですか?」
これは治療家の卵や若手から、必ずと言っていいほど聞かれます。

テクニックのやり方は学べば分かる。
けれど、“どこに”使うかを判断できなければ意味がない。

だから僕は、姿勢分析や脊柱ラインの観察、
さらには呼吸のリズムや内臓反射までを含めた「全体の動的評価」を大切にしています。

実際、脊柱を触診しながら症状を言い当てると、
「先生、どうして分かるんですか?」と驚かれることもしばしば。
(ちょっと腕のいい治療家っぽく見えちゃいますけどね、笑)

でもそれは“勘”ではなく、体系化された情報の積み重ねなんです。

■ 「歪みマップ」を作っています

あまりにもこの相談が多いので、
僕は今、「症状と脊柱の関係」「姿勢タイプ別の歪みパターン」などを
一目で分かる図表にまとめています。

T4~T5の問題が胃や肝臓にどう影響するか。
T6~T8の可動性が低下すると呼吸がどう乱れるか。
そんなことを感覚ではなく可視化する資料です。

必要な方には無料でお渡ししています。
治療家としての感覚を磨くためにも、
ぜひ一度このマップを見てみてください。

■ 胸椎が整うと“呼吸”が変わる

胸椎の動きが回復すると、
最初に変わるのは呼吸の質です。

深く息を吸えるようになり、
吸気とともに身体全体が膨らむような感覚。
背中に空気が入る。胸が開く。
それだけで気持ちが前向きになる。

そしてその変化が、内臓や自律神経、血流へと波及していく。
まさに身体の中心軸からのリセットなんです。

■ 季節の変わり目に“背骨のメンテナンス”を

秋は、夏の疲れが内臓に残っている時期でもあります。
冷たい飲み物や冷房で疲れた胃腸。
それに加えて朝晩の冷え。

そのストレスが、最初に表れるのが「背骨の硬さ」なんです。

「なんだか最近、姿勢が悪い」
「背中が重い」「息が浅い」
そんな人は、まさに胸椎がSOSを出しています。

季節の変わり目こそ、
**丁寧に背骨を動かす“バックボーントリートメント”**を受けてみてください。

背骨のひとつひとつが呼吸をはじめ、
内臓のリズムが整ってくるのを感じられるはずです。

■ 最後に:毎日、手と向き合う

僕は毎日治療をしながら、いつもこう思っています。

「柔らかいけれど芯のある手」
「深部に届くけれど痛みを与えない手」

これが僕の中のテーマであり、永遠の課題です。
背骨は言葉を話さないけれど、
正しく触れれば、ちゃんと応えてくれる。

人の身体は繊細で、でも強い。
だからこそ、雑には扱えないし、
その人の“今日”の状態を感じ取る心が必要なんです。

秋の風が吹き、夜が長くなるこの季節。
胸椎の動きが整えば、心の中にも少し余裕が生まれます。

背骨を整えることは、
実は“生き方”を整えることでもある。

季節の変わり目の胸椎の歪みに――ご用心を。

そして、もしあなたの身体が「ちょっと疲れたな」と感じているなら、
ぜひ一度、背骨と会話をしてみましょう。

Ezyriは今日も、人の背骨に手を添えながら
静かに、しかし確かな一手を重ねています。

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